タイの空港でチェックインから搭乗口、機内座席、到着ロビーまで車いす介助が必要なら、空港ではなく利用する航空会社へ予約時に依頼します。スワンナプーム空港とドンムアン空港には一般エリアで使える無料貸出もありますが、航空会社の搭乗介助とは別サービスです。足腰に不安がある、高齢の家族と旅行する、けがで長距離を歩けない場合も相談できます。
IATAは介助依頼を遅くとも出発48時間前までに行うことを推奨し、タイ国際航空も予約時または出発48時間前までの依頼を案内しています。締切と申込方法は航空会社ごとに異なるため、航空券を取った時点で確認するのが安全です。
結論|搭乗介助は航空会社、一般エリア貸出は空港
| 必要な支援 | 連絡先 | 予約・条件 |
|---|---|---|
| チェックイン前の一般エリアで一時的に借りる | 空港の車いす貸出窓口 | 本人確認書類が必要。スワンナプームは無料・最長3時間 |
| チェックインから搭乗口まで押してもらう | 利用する航空会社 | 予約時、遅くとも各社の締切前に依頼 |
| 階段昇降や機内座席への移乗を手伝ってもらう | 利用する航空会社 | 歩行・階段・移乗の可否を具体的に伝える |
| 到着後に機内から手荷物受取所・出口まで介助 | 利用する航空会社 | 出発便だけでなく到着地の支援も予約記録へ入れる |
| 自分の手動・電動車いすを預ける | 利用する航空会社 | 寸法、重量、バッテリー種類、取り外し可否を事前申告 |
「車いすを1台お願いします」だけでは、必要な支援区間が伝わりません。出発空港、乗継空港、到着空港のそれぞれで、どこからどこまで介助が必要か確認してください。
予約はいつまで?まず航空会社へ連絡する
介助が必要だと分かった時点で、航空会社の予約管理画面またはサポート窓口へ連絡します。IATAのベストプラクティスでは出発48時間前までが推奨されていますが、航空会社・支援内容・空港設備によって期限は異なります。医療機器、酸素、ストレッチャーなどは別の手続きや診断書が必要になることがあります。
タイ国際航空は、車いすを予約時または出発48時間前までに依頼するよう案内しています。ANAとJALも、車いすや空港・機内での支援を予約時に登録・相談するよう案内しています。コードや専門用語を自分で決める必要はありません。実際にできる動作を伝え、航空会社に適切な手配を確認してもらいます。
WCHR・WCHS・WCHCの違い
航空会社の予約記録では、IATAのSSR(Special Service Request)コードが使われることがあります。利用者が暗記する必要はありませんが、違いを知っておくと介助内容の確認に役立ちます。
| コード | 歩行・階段・座席への移動 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| WCHR | 長距離移動は車いすが必要。階段昇降と座席までの移動は可能 | 「長距離は歩けないが、階段と機内座席への移動はできる」 |
| WCHS | 階段昇降はできない。機内座席までは移動可能 | 「階段は使えないが、座席への移乗はできる」 |
| WCHC | 歩行できず、階段と機内座席への移乗にも支援が必要 | 「機内座席への移乗を含めて介助が必要」 |
体調や障がいの名称だけでなく、何メートル歩けるか、階段を使えるか、立位を保てるか、自力で座席へ移れるかを本人に確認して伝えます。本人の希望を聞かず、同行者だけで介助範囲を決めないようにしてください。
航空会社へ伝える7項目
- 予約番号、便名、搭乗日
- 出発・乗継・到着空港のすべて
- 歩ける距離と、長時間立って待てるか
- 階段を上り下りできるか
- 車いすから機内座席へ自力で移れるか
- 自分の車いすを持ち込む場合の種類、寸法、重量、折りたたみ可否
- 電動車いすの場合のバッテリー種類、容量表示、取り外し可否
航空会社からの回答は、予約番号と一緒にスクリーンショットまたはメールで保存します。共同運航便では、予約を販売した会社だけでなく、実際に運航する航空会社へ手配が伝わっているか確認してください。
自分の車いす・電動車いすを預ける場合
手動車いすでも、折りたたみ可否、寸法、重量、扱い方を伝えます。電動車いすはバッテリーの種類と容量表示、取り外し方法、安全な電源遮断方法を航空会社が確認します。規則は機材や航空会社で異なるため、自己判断でバッテリーを外したり梱包したりせず、航空会社の指示に従ってください。
- メーカー、型番、寸法、重量を控える
- バッテリー表示と車いす全体を写真で保存する
- 日本語以外でも分かる簡単な取扱説明を用意する
- 取り外せる部品やクッションをどう管理するか確認する
- 搭乗口まで自分の車いすを使いたい場合は予約時に申し出る
- 到着時にどこで返却されるか確認する
タイ国際航空は、自分の車いすを持ち込む場合に寸法と重量を予約時に伝えるよう案内し、32kgを超える車いすには特別な承認が必要としています。実際の条件は利用便の航空会社へ確認してください。
スワンナプーム空港の無料貸出
Airports of Thailand(AOT)の公式案内では、出発階4階のGate 2・Row C前に車いす貸出ポイントがあります。パスポート、IDカード、運転免許証のいずれかを提示し、無料で最長3時間利用できます。貸出車いすは制限区域へ持ち込めず、使用後は同じサービス地点へ返却します。
- 場所:メインターミナル4階、出発・一般エリア、Gate 2付近のRow C前
- 料金:無料
- 利用時間:最長3時間
- 必要書類:パスポート、IDカードまたは運転免許証
- 制限:チェックイン後の制限区域へは持ち込めない
チェックイン後の搭乗介助は航空会社スタッフへ依頼します。AOTは、航空会社の車いす利用者と同行者1名がFast Trackを利用できると案内していますが、当日の運用は係員の指示に従ってください。
ドンムアン空港の無料貸出
AOTの公式案内では、ドンムアン空港にも24時間対応の無料車いす貸出があります。原本のパスポート、IDカードまたは運転免許証を提示し、階の移動にはエレベーターを使います。搭乗口まで押してもらう必要がある場合は、航空会社のチェックインカウンターへ依頼します。
注意:2026年9月1日時点で、AOTの2つの公式ページはターミナル1の貸出地点を「3階Door 1」と「3階Door 6」と異なる表記で案内しています。ターミナル2は3階Door 11で共通しています。到着前または当日に、DMK Information Center(24時間、+66 2 535 1192)または館内案内所で最新位置を確認してください。
当日の流れ
- 空港到着:通常より早く到着し、予約記録をすぐ表示できるようにする
- 航空会社カウンター:出発・乗継・到着の介助区間と、預ける車いすを再確認
- 保安検査・出国審査:係員の案内に従い、薬や医療機器は航空会社・検査機関の規則で管理
- 搭乗口:優先搭乗、階段昇降、座席への移乗方法を確認
- 到着:係員が来るまで座席で待ち、自分の車いすの返却場所と出口までの介助を確認
乗継便がある場合は、最初の航空会社だけでなく、すべての便と乗継空港へ支援依頼が登録されているか確認します。ターミナル間移動がある場合は、シャトルの乗降介助まで具体的に相談してください。
予約後や当日にけがをした場合
けがや体調変化が分かった時点で航空会社へ連絡します。出発48時間以内でも相談できますが、機材やスタッフを確保できず希望どおりにならない場合があります。当日悪化した場合は無理に搭乗手続きを続けず、航空会社と空港の医療窓口へ相談してください。
よくある質問
車いす介助は空港と航空会社のどちらへ頼みますか?
チェックイン後から搭乗口、機内座席、到着後の出口まで介助が必要な場合は、利用する航空会社へ事前に依頼します。チェックイン前の一般エリアで一時的に車いすを借りる場合は、空港の貸出窓口を利用します。
タイの空港の車いすは無料ですか?
スワンナプーム空港とドンムアン空港の一般エリア貸出は、AOT公式案内で無料とされています。搭乗口や航空機までの航空会社介助も、タイ国際航空は追加料金なしと案内していますが、運航会社ごとに確認してください。
何時間前までに予約すればよいですか?
IATAは出発48時間前までを推奨し、タイ国際航空も予約時または48時間前までの依頼を案内しています。航空会社により締切が違うため、航空券を予約した時点で申し込みます。
障害者手帳や診断書は必要ですか?
AOTの一般エリア貸出では、本人確認書類の提示が案内されています。診断書の要否は支援内容、病状、医療機器の使用などで変わるため、航空会社へ確認してください。
同行者もFast Trackを使えますか?
スワンナプーム空港公式案内では、航空会社の車いす利用者と同行者1名が対象とされています。当日の混雑や運用は係員の指示に従ってください。
自分の車いすを搭乗口まで使えますか?
航空会社と空港設備によって異なります。JALは要望により搭乗口まで利用できる場合があるため予約時に相談するよう案内しています。利用する航空会社へ事前に確認してください。
同行者がいれば航空会社へ頼まなくてもよいですか?
坂、混雑、保安区域、搭乗橋、階段、機内座席への移乗は同行者だけでは対応できない場合があります。同行者の有無にかかわらず、必要な区間を航空会社へ伝えてください。
関連記事
公式出典
- Airports of Thailand:Suvarnabhumi Airport Wheelchair Service
- Airports of Thailand:Don Mueang Airport Wheelchair Counter Service
- Airports of Thailand:Don Mueang Special Assistance Facilities and Services
- IATA:Best Practices on SSR Codes and Assistance Service
- Thai Airways:Traveling with a Wheelchair
- ANA:飛行機での車いす利用・歩行の不自由なお客様
- JAL:お手伝いを希望されるお客様の搭乗の流れ
更新確認日:2026年9月1日。窓口位置、受付条件、航空会社の締切、機材は変更されるため、利用便の航空会社と空港公式案内で再確認してください。

